最近では、歯を失った方への治療法としてインプラント治療が広く普及し、医療技術の進歩によって、より腫れや痛みが少なく、患者さんへの負担が少ないインプラント治療もできるようになってきました。
それでも実際にインプラント治療を受けるとなったら、不安を感じる方も多くいらっしゃると思います。
なりた歯科クリニックでは、患者さんに安心して安全な治療を受けていただくために、様々な取り組みを行っています。
インプラント学会専門医による安心安全なインプラント治療
なりた歯科クリニックでは、日本口腔インプラント学会専門医の資格を有する院長が、診断から治療の説明、治療終了まで、患者さんが安心してインプラント治療を受けていただける様な環境づくりに努めています。
日本口腔インプラント学会専門医とは
日本口腔インプラント学会は会員数15000名の歯科医師が所属する国内最大の歯科インプラントに関する学術団体です。現在日本には歯科医師が約10万人以上いる中で、日本口腔インプラント学会専門医の資格を持つ歯科医師数は約1000名(平成25年厚生労働省歯科保健課調べ)であり,歯科医師全体の中では約1%です。
学会では広い学識と高度な専門的技能を有する歯科医師の養成を図るために専門医制度を立ち上げ、研修施設での研修、学会主催の研修会、会員歴、筆記試験、ケースプレゼンテーション試験、口頭試問など厳しい審査に合格した歯科医師を専門医として認定しています。
歯科用CTによる正確な診査
インプラント治療の中で、手術に関する不安を挙げられる方も多いと思います。
当院では、全ての症例に対し手術前に口腔内を3次元的(立体的)に診査できる歯科用CTを撮影しています。CTを撮影することによって、通常のレントゲン写真では診断できない骨の形や大きさ、距離、血管や神経の位置関係を、手術の前に正確に把握することができます。
CT検査で診査した情報をもとにインプラントの埋入位置を計画しますので、手術中に起こり得る様々なリスクを軽減することが可能です。
当院では、従来型の歯科用CTと比べてX線被ばく線量を抑えると同時に高精細な画像を得ることができる先進的な歯科用CTを採用しています。
患者さんへのご負担を減らしながら、より正確な診断を行うことができます。
コンピュータ支援による正確で安全性の高い手術の実現
インプラント手術を安全に行うためには、事前の精密な検査が欠かせません。もちろん三次元的に患者さんの骨の状態を把握するCT撮影は必須ですが、当院ではそのCT画像を立体化し、患者さんの顎の骨の硬さや密度、神経の走行位置などを解析し、最適なインプラントの長さや埋め込む位置などを立案して、手術の前にシミュレーションを行えるソフトを使用しています。最も理想的なインプラント治療には欠かせないプロセスと言えます。
術前のシミュレーションを行うことで手術の安全性と成功率は飛躍的に高まります。当院が導入しているSimPlant®は世界で最も多く使用され信頼されているインプラント治療専用のシュミレーションソフトです。
シムプラントを使用するメリット
- 手術から被せ物の作製まで、一貫した計画に沿って治療を行うことができます。
- 予知性の高いインプラント手術が可能になります。
- 手技の侵襲性を最低限に抑えることができるため、術後の疼痛や腫れが軽減し、治癒期間が短縮します。
- 術中または術後に予想外の不快な事態に遭遇することがなくなり、歯科医や患者さんのストレスを軽減できます。
- 手術時間が短縮されます。
歯科治療が苦手な方、インプラント手術のイメージが怖い、という方へ
小さいころに経験した歯科医院での嫌な経験や歯科医院のイメージから、多くの方が「歯医者さんが怖い」「痛いことをされるから嫌だ」と思われるのではないでしょうか?
歯科医院に対してマイナスイメージがあると、ついつい足が遠のいてしまうものです。
受診したとしても、治療への恐怖から血圧が上がったり、動悸を感じたりして身体的・精神的にいいものではありません。静脈内鎮静法とは、中枢に作用する薬を静脈から点滴投与する麻酔の方法で、通常の歯科治療で行われる局所麻酔と併用することにより、痛みだけでなく精神的な緊張が和らいだ状態で手術が受けられます。インプラント治療などの外科治療の際にも、非常に有効です。
また治療器具を口に入れられると吐き気が起こる、嘔吐反射のある方にも効果があります。
高齢者の方や高血圧、心臓病、糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は、強いストレスを感じて急激な血圧上昇や心拍変動が起こると、持病に影響を与える恐れがあるため、気分が落ち着いた状態で手術が受けられる静脈内鎮静法が適しているといえます。
入院なども必要ありません。
静脈内鎮静法の効果
- 不安や恐怖心が薄れ、リラックスした状態で治療を受けることができます。
- 緊張が強い場合、血圧が高くなったり脈拍が早くなったりすることがあります。静脈内鎮静法を用いることで血圧や脈拍が安定し、安静な状態で治療を受けられます。血圧や呼吸を監視しながら処置しますので、持病をお持ちの方でも安全です。
- 健忘(けんぼう)効果があるため、実際よりも処置時間が短く感じられます。
- お口の奥に器具が入ると気持ち悪くなる、おう吐反射を抑えられます。
- 何らかの身体の不具合(血圧上昇、心拍数増加など)が生じた場合でも、歯科麻酔科医管理のもと点滴をしていますので、安全かつ適切な対応が可能になります。
当院では静脈内鎮静法を行う際、歯科麻酔医が全身管理を行います。これによって治療中の患者さんの安全が確保されるだけでなく、歯科医師が手術に集中することができます。
麻酔医は麻酔を投与するだけではなく、手術の前に麻酔薬を点滴で投与した後、患者さんの全身管理を行うために、生体情報モニタで血圧や脈拍数、心拍数、酸素飽和度などを常にチェックし、薬剤を投与する量を調整します。静脈内鎮静法を行った場合、1~2時間程度で意識がはっきりしてきますので、しっかりと応答ができ、ふらつくことなく真っ直ぐ歩くことが確認できましたら、そのままご帰宅いただきます。
ただし、当日は車の運転を控える必要があるため、付き添いの方にご同伴いただけると安心です。
インプラントを安心して快適に使用していただくために
インプラント治療を成功させるためにはお口全体の環境を整える必要があることから、治療期間が比較的長くかかることがあります。
インプラント治療というと、治療の内容にフォーカスが当たりがちですが、実は患者さんにとっては治療を受けている期間よりも、治療終了後にメインテンスを受けている期間のほうが圧倒的に長いのです。
インプラントを快適に、ずっとお口の中で使っていただくためには定期的なメインテナンスは欠かせません。
インプラントを治療された方は、定期的なメインテナンスを受けていただくことをお勧めしています。
患者さんの健康状態にあわせて治療を行います
インプラント治療は失った歯によって失くしてしまったいろいろな機能を取り戻せる素晴らしい治療法です。
しかし、検査の結果や患者さんの全身状態によっては、治療をお勧めしない場合があります。インプラント治療を行うことが患者さんにとって最適な選択肢である場合には素晴らしい効果を発揮しますが、患者さんが治療に適さない状態にもかかわらずインプラント治療を行うことで、患者さんのQOL(生活の質)が低下してしまう可能性があるからです。
歯を失った場合、インプラント治療以外にはブリッジや入れ歯、インプラントオーバーデンチャーなどの選択肢がありますが、それぞれ利点と欠点があります。
最適な治療方法を一緒に考え、健康な食生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。