歯医者さんで粘土のようなもので長時間型取りをした経験はないでしょうか?
その粘土のようなものは印象材というもので、口腔内の印象(型)を採取するために必要不可欠な作業です。人によっては苦しい思いをしたり、嘔吐反射(おうとはんしゃ)が出て嫌な思いをされた方も多く、歯医者さんに行きたくない理由になっている方も多いと思います。また、より正確な印象を採取するには一定時間は動かさず我慢し続けなければいけないですし、ミスがあれば再度取り直す必要がありました。
しかし歯科の世界でも技術革新が進み、医療機器のデジタル化がどんどん進んでいます。
光学印象は型取りが不要になるだけでなく様々なメリットがあります。
光学印象は従来の型取りと比べて材料を練ったり、材料が硬化するまで待ったりする必要がありません。従来の型取りは、噛み合わせと合わせて6分30秒ほど時間が必要とされていましたが、光学印象では半分以下の2分30秒で完了します。
当院では光学印象では口腔内を圧迫しない形状にデザインされた最新デジタル機器(Trios 4)を採用しています。リラックスして型取りが可能なので呼吸のしづらさや、嘔吐反射を軽減できます。
すぐれたスキャニング性能により、口腔内の細部までフルカラーで精密に捉えることができます。また模型の変形も防ぐ事ができ、完成物の精度も向上します。
デジタル技術により即座にパソコン上でデータ化・3次元画像生成されるため、従来法での印象物の撤去時の変形、石膏模型作成時の気泡の発生や破折などの失敗がありません。
撮影したデータはリアルタイムに確認でき、もし撮影が上手くできていない箇所があっても、その箇所だけ撮影すれば大丈夫ですので最初からやり直す必要がありません。これらは治療の精度を向上させ、やり直しによる患者さまの負担も軽減します。
またCTの3次元的画像とも組み合わせる事でインプラント術前のシミュレーションがより緻密に、詳しく行う事ができるようになりました。ただし歯茎の深い部分は光が届かないため撮影ができない症例がある事、保険診療ではまだ条件が限られる事から、これからの発展がさらに期待される分野です。
正確な情報をスキャンして精度の高い治療を負担が少なくできること、フルカラーで立体的な画像で患者さんと一緒に口腔内を確認できること、う蝕診断のサポート機能が付いていることなど、メリットがたくさんある機械になりますので、ご興味ある方はスタッフまでお声がけください。