あけましておめでとうございます。なりた歯科クリニックです。本年も通院してくださる患者さまのお口の健康のため、自己研鑽に努め、日々の治療に取り組んで参ります。
お口の中に痛みを感じると、「あれ、虫歯かな?」「もしかして歯槽膿漏?」など不安になりますよね。確かに虫歯や歯槽膿漏は痛みを感じる原因としては多いのですが、その他にも痛みを起こす原因であまり知られていないものも多く存在します。
今回はその中でも原因がわかりづらいものについてご紹介します。
①歯冠・歯根破折
歯並びの不正や、硬いものを噛んだ衝撃などが原因で歯の一部分に局所的に応力が集中すると、亀裂や破折が歯に生じる場合があります。厚生労働省の統計データでも歯の抜歯要因の上位に位置づけられるもので、しばしば見受けられます。破折した箇所の深さや場所によって感じ方は様々で、レントゲン検査をしても角度によって写らない場合も多いことから、見落とされることも多い疾患です。知覚過敏の様な症状を起こしたり、二次的な虫歯の原因にもなります。歯の根まで割れてしまった場合は噛んだ時に痛い事もあります。肉眼でも確認出来るような分かりやすい症例もありますが、マイクロスコープを用いて数十倍に拡大した視野でようやく確認できる微細なものもあります。
②歯根膜炎
歯を支える根の周りにある歯根膜(しこんまく)に起きる炎症です。夜間や日中の噛みしめや歯ぎしりの癖が原因で起こることが多く、その場合痛みを感じる時間帯に特徴があります。被せ物で治した歯の調整が、元々の噛み合わせにうまく調和していない事でも起こります。歯根膜の感覚はとても敏感で、咀嚼時に数十μmmの厚みの違いも感じ取ることが出来ます。この鋭敏な感覚器が過重負担で腫れてしまう事で痛みを感じるので、炎症が強い時はかなりの痛みを感じると言われています。
長引く歯の痛みが気になる方は、是非一度歯科医院でお口の中をチェックしてもらって下さい。